新規開業

【間借り店舗体験談】はじめての飲食店で月商100万達成できた話

1月 9, 2020

出前館の固定報酬制は2022年現在廃止されました。ご注意ください。最新情報は公式サイトにてご確認ください。

今日は、わたしが人生ではじめて飲食店の運営をした頃のお話をシェアします。

ひょんなきっかけでわたしの足元へ転がってきた飲食店経営のお話だったので、経営ノウハウは皆無。それでも初月で月商100万円ほど売り上げられました。開業コストがすこぶる安かったので、手元にもしっかりお金が残りましたよ。20代半ば頃だったので、とてもうれしかったことを覚えてます!

間借り営業はわたしの飲食人生のルーツです。飲食店開業のあと押しがほしい方は、ひまつぶしがてらライトな気持ちで読んでいただけるとうれしいです。

【間借り店舗体験談】はじめての飲食店で月商100万達成できた

間借り飲食店9
当時お借りしていた間借り店舗。カウンターの椅子しかなかったので狭いけどいろいろ工夫しがいのあるお店でした。

当時の間借り店舗のスペック

広さ:8坪10席
家賃:15万円(だった気が)
売上:100万前後
仕入:20万円
経費:20万円
利益:45万円

ひとりで営業できる小さなスタンディングバー。キッチンはシンクとおもちゃ程度の冷蔵庫くらいしかなくて、コンロもなかったです。元々あったお酒は使っていいという条件でしたが、10種類くらいしかなかったのですよね。

頭金は必要ありませんでしたが、仕入れや準備の経費は必要な状況でした。売れない店舗を押し付けられたのかもしれないですね!笑

ただ、わたし的には立地にびびびっときたので、「えいっ」とやってみることにしました。

間借り営業のメリット:経費がとことん安い

間借り店舗の場合支出項目は本当に少なく、基本の設備が全て揃っているのが神ポイント。普通に冷蔵庫1台10万くらいしますからね。

それがまるっとナシで、自分が使う分の仕入れ費用・バイトくんのお給料・宣伝費はSNSで0円。あとはちょっとした名刺やらメニュー作成費程度ですね。ネットから簡単に作れるので、外注の必要はまるでなし。

間借りスタイルは、ほんとにいちばん簡単に開業できる出店方法だと思います。

開業コストは物件取得費用だけで300-500万、内装で300-500万、一般的には1,000万かかるのはご存知の通り。間借り店舗の開業コストはないに等しいですね。

間借り営業のデメリット:設備や出入りの制約

当然ですが間借り営業の店舗は借り物です。いうなれば弱者の立場。さらに間借りに興味があるあなたはたぶん、はじめての開業ではないでしょうか?

間借り飲食店4
がら空きだったスペースにスタンディングテーブル買ってきてキャパ倍にした。これなら退去時も撤去するだけ。

営業許可などの基本的な飲食店のルールから、設備の制約、仕入れなど自分以外の人間の立ち入りなども全部確認しながら進めなければなりません。逆に自分ひとりならトラブルがあっても自己責任で済みますが、間借りならではの神経すり減る部分はあると思います。

仕入れ

どうせ間借りでいつか出るだろうからあまりにモノを増やしても...という悩みがありました。なので最低限の設備の中でできるメニューをひねり出す。

結果、缶詰をあたかも調理したように盛り付け直して出すとか苦肉の策を。お会計もキャッシュオンスタイルにしてレジ作業を極力減らしました。※当時はまだキャッシュレスというものが全然流行ってなかったのです...

仕入れも同じとこを使うわけにもいかなかったので、業者にかたっぱしから電話して、個人対応してくれるお店をがんばって探しました。オーナーさんによってはたぶん、出入り許可とか知らせておいたほうがいいです。玄関前に仕入れ品を放置してく業者さんも中にはいるので、店舗によってルールがありますよ。

集客方法

宣伝もちょっと気を遣う。同じ店舗だから一緒のお店だと誤解されるとややこしいが、しかし集客はしなければならない。チラシなんてけっこう普通に勘違いされちゃいますよね。

そこで持ち出したのがSNS。twitterと時代を感じるFacebook&アメブロ宣伝。ネットを見て来てくれる人は、内容をざっと確認した上で、自分のお店を目的にきてくれます。

間借り飲食店2
時代を感じるアメブロ。お世話になりました。元々ダンサーしてたのでそれを使って宣伝。まじで個人営業すぎました。

「SNS見たから来たよ!」なんて直接的に言って来店してくれる人は少ないですが、日常的に見てるのでタイミングがあれば思い出して来てくれる、という感じでした。SNS販促の根本はこれですよね。今も昔も変わらないと思ってます。

中には大学卒業以来数年以上あってない友人が「実はブログずっと見てたんだよね...」とか言いながら来店してくれたこともありました。びっくりですね〜。今ならやっぱりinstagramがいいんじゃないでしょうか。

間借り営業の収益:予想以上に売上が上がった

20代の小娘ががんばってやってるお店だったけど、大人の方たちもいっぱい利用してくれました。狭いと満席感あっていい。

こんな感じでほんとに素人に毛も生えないレベルから手探りで運営したのですが、初月の売り上げは100万円を超えました。1日3万円なので、全然自慢するほどじゃないのですが...うれしかったです。

手元に残ったのはざっと45万円くらいだったかと記憶しております。この頃、経営や会計についても概念がほぼなく...会計ソフトを使うなんてことも全然考えてませんでしたね...。売り上げ封筒に入れて持ち歩いたりしてましたよ。

ただ、それまで手取り20万円あるかないかで細々暮らしていた20代の小娘にとっては大事件です。次月の経費もあるので全額が自分の元に残るわけではないですが、お金の価値観は確実に変わりましたよ。

お金の価値観が変わる

なぜ、ノウハウもなく上手くいったのか

お酒はこれの4/1くらいしかなかったので購入。バーで働いたことないけどがんばって覚えた!今見るとほんとスタンダードすぎるラインナップ。お客さんにたくさん教えてもらいました...謝謝

成功というほどでもないですが、はじめての個人営業で100万円は最初のハードルだと思うので、成功談ということで話を進めますね。

この間借り店舗が、なぜ「ノウハウもなく」うまくいったのか、理由を考えてみて思い当たるのは下記でした。

① 立地がよかった(路面だった)
② 固定費が安かった
③ 売るものを極限まで絞った

①立地がよかった

駅から10〜15分ほどの離れた場所でしたが、確実に人の出入りがある立地でした。飲食店もそれなりにあるしオフィスビルもあった。ちょっと裏に行けばおとなな飲み屋街も。確実にコミュニティがあったことはわかってましたよ〜。路面だったから通りがかって入ってくれる人もいました。

②固定費が安かった

固定費が少ないことは正義です。雑な言い方になりますが、おんなじことやってても固定費が高ければ潰れるし、安ければ儲かります。理想だけれど家賃がバカ高い物件にお金を払うより、自分の手の届く範囲の物件スペックの中で工夫を凝らした方がいいです。

③売るものを極限まで絞った

自由にならないからこそ売るものは極限まで絞りました。私の場合は、ごはんメニューが絶対的に足りなかったので、ご近所さん回ってデリバリーをお願いしてました。当時Uber Eats 上陸してなかったので、自力で顔だしてパイプ作りから。今だったらUber Eats 入れたらそれでOKじゃんって感じです。いいなぁ〜。

・・・

なのでよっぽどとんちんかんなことしなければ、間借り営業はとことん身軽なのでどうにでもなりません。維持費用が少ないので資金繰りもどうにかなる範囲だし、最悪退店すればいいので。らくちんです。

間借り営業の注意点

シンクが狭過ぎた。ひとり暮らしルームよりちっちゃいシンクだったけど100万円くらいまでならイケた。

とはいえ、間借り店舗で営業する際の注意点もあります。ここまで見てきた通り、設備の制約などがその代表ですね。

  • 営業許可
  • 設備・時間の制約
  • トラブル時の責任の所在

①営業許可

飲食店営業には保健所に申請して、営業許可を取得する義務があります。間借りの場合はちょっと複雑で

  • 個人事業主として貸し先オーナーと契約する→自分で営業許可申請
  • 貸し先オーナーに雇用されてる形で契約する→営業許可申請不要

です。

つまり「物件+その店舗の責任者」のセットに対して発行される許可という理解。わかりづらいのでグレーのままやってるところは多いかと。

②設備・時間の制約

設備・時間の制約は、営業開始前に明文化しておいたほうがいいです。

  • 冷蔵庫が壊れた→どっちのせい?
  • 食器が壊れた→どっちが買う?
  • ものがなくなった→え、盗難?
  • お金がなくなった→え、触ってないけど?
  • 時間が過ぎた→光熱費は?売上は?

最初はこんなことまでいらなくない?と思うかもですが、問題になるのは実際にトラブルが起こったときです。あまり気持ちのいい話ではないですが、これができてないと思わぬタイミングで退店しなければならない...なんて事態にもなりかねません。

わたしは「ウチのお店の客を取っている、金払え。」みたいなクレームもらいました。(いや、もともとスカスカやったがな笑)ですが、弱者なので勝てません。物件オーナーの心象悪くしたらそこで試合終了です。

トラブルを避けるためには、「書類契約を交わす・疑問点があったらすぐに話し合う・帳簿をつける」が鉄の掟です。

③トラブル時の責任の所在

さらに食中毒なんかもこわいですよね。万が一食中毒問題が出たら、あなたの間借り店舗がだけでなく営業所全部が閉鎖になります。お詫びしてもしきれません。

こういうものを全て自分ひとりでやるのは厳しいです。個人でやりとりせずに、仲介が入るサービスを使った方が安全だと思いますよ。

間借りマッチングサービスを使う

2022年現在、マッチングサイトを使うのがもっとも安全かと思います。最初から条件が開示されているので、話が進めやすいです。なにか困ったことがあればプラットフォームに相談。個人間の口約束するより安全だし、知らないオーナーさんからも普通に借りれます。

>ゴーストレストラン開業レンタルキッチン探し|営業許可取得OK

デリバリーを使う

食材が増えるとモノも手間も食中毒の割合も増えます。メインで売りたい食品以外は、なるべく削ぎ落とします。今ならUber Eats 使えばそちらで売上確保できますし、店舗での提供メニューが不足してるならむしろ出前でカバー作戦もあります。

>【Uber Eats 出店の極意】飲食店向け出店ノウハウ徹底ガイド

・・・

こんな感じで、できることを少しずつ固めていってください。

はじめての店舗経営で得られたもの

間借り飲食店16

いろいろと失敗もしましたが、勇気を出して間借り営業を始めたことでこんなものが得られました。

・リスクを恐れない鋼のメンタル
・失敗を失敗と思わないチャレンジ精神
・やればできるんだという根拠のある自信

間借り店舗とはいえ、毎月給料以上の固定出費が発生するのは正直すごく怖かったです...。でもプレッシャーがあったからこそ、「いいと思うことは全部やってみる」という姿勢で仕事に取り組み、その対価として大きな報酬を受け取ることができたと思っています。

なので、間借り店舗を借りてミニマムにはじめてみるのは、とってもおすすめです。これからゴーストレストランなどを始めてみたい方は、ぜひとも自信を持ってチャレンジしてみてください。わたしはこの間借り店舗をステップに、念願だった自分のお店の出店も実現できました。みなさんもきっと大丈夫です。

テイクアウト&デリバリー参考書籍

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■ 飲食店経営 >定期購読
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■ 近代食堂 >定期購読
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Uber Eats 出店の極意シリーズ

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#01
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#02
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#03
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Uber Eats 出店の極意】ーUber Eats の出店にまつわるアレコレをシリーズ化しました。はじめて飲食TRYのオーナー様はぜひご一読ください。現場の声や繁盛店事例をもりもり盛り込んでます。

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