「失敗しない個人店開業7ステップ」シリーズ、ステップ2では、飲食店の一般的な開業の流れを紹介します。
「ステップ1:イマドキの出店方法を知る→複数軸で売上を立てよう」
を前提に、「店舗型+デリバリー」出店でお話を進めます。
誰にでも簡単にできると思われがちな飲食店ですが、やることは膨大。資金調達あり、物件取得あり、工事あり、かなりの一大事業です。
飲食店開業って参入障壁低いとはいえ、超一大事業。資金調達あり、物件取得あり、工事あり、衛生管理あり...それから(文字数
— ゆりねぇ@飲食ブログ (@yurinee_gurume) May 18, 2021
私自身はやりながらいきあたりばったりで進めて開店1時間前にお客様用のイスが届きました...みなさんはそのような失敗をしないようにしてください。
この記事では全体感をざーっと把握できるように、まとめています。
もくじ
飲食店の開業の流れと全体感を知る
飲食店開業って、飲食店で働いたことある人にとってもブラックボックスですよね。
なんて、ちょっと考えただけでもやることもりだくさん。
開業の流れの大きな枠としては、この開業シリーズののテーマになっている「7ステップ」がひとつの目安、さらに細かく内容を書き出したものが下記の表になります。
1. 出店方法を知る | まずは、どんなスタイルで出店するか決める。 来店メインorネット販売メイン |
2. 開業の流れを知る | 開業するまでの流れや全体感を知る。 |
3. 事業計画を立てる | 事業計画書を作る。 コンセプトや収支計画など。 |
4. 資金を集める | 事業計画を実現するための資金を集める。 お金を貯めたり、調達方法を知る。 |
5. 物件を探す | お店の外側作りをする。 物件探しをしながら予算感やコンセプトを練る。 |
6. 開業準備をする | お店の中身作りをする。 資格の取得やメニュー開発、インフラ整備など。 |
7. 集客導線を整える | 宣伝販促の土台作りをする。 ホームページ制作やチラシ制作など。 |
やること多いですよね〜。飲食店開業経験者の方が近くにいるなら、できれば謝礼を出してでもサポートしてもらったほうが安心かな、と思います。
まずやるべきことは「事業計画」:1年前〜
事業計画というとちょっとお固いですが、要は「どんなお店を作るのか」というのを細かく設定していく作業です。
【事業計画の超重要項目】
・コンセプト
・売上目標
・収支計画
ステップ1で学んだように出店スタイルの検討に加え、ターゲットや価格帯など、お店のコンセプトを明確にして行きます。
「ハンバーガーを売りたい」など、商品というのはまっさきに決まってる場合が多いですよね。一方で、具体的な数値目標はおざなりになりがちです。
しかし、いちばん大きなハードル「資金調達」そして「開業後のお店の維持」のために必要不可欠です。しっかり手を動かしつつ、時間をかけて作ってください。
お金を借りる場合、物件を借りる場合、友人に協力してもらう場合、さまざまな場面で役立ちます。
次のステップの記事で、数字指標入りの作り方を具体的にまとめてます。
[nlink url="https://foodtrip.tokyo/7367/"]
資金調達:1年前〜6ヶ月前
事業計画が作れたら、それに向けて必要な行動を開始します。
準備が早ければ早いほどいいのはやっぱり「お金」のこと。貯金は絶対。融資を受ける際にも自己資金額がベースになりますので、300万円程度を目安に貯めてください。
お金を調達する方法は下記3パターンが主流です。
自己資金 | 300万円を目安に貯金 | 融資を受ける際のベースになる。 |
借金 | 身内 銀行 日本政策金融公庫 | 身内厳禁。 日本政策金融公庫は無担保OK。 |
出資 | クラウドファンディング 出資・投資オーナー 独立制度 | お金持ちに出資してもらう。 熱意・コンテンツ勝負。 |
この中で主流なのは「自己資金+日本政策金融公庫で融資を受ける」スタイルです。※略して日本公庫
日本公庫は、創業家支援に手厚い、100%お国の機関。無担保で大きな金額を借りられるので、まずはこの組み合わせで検討して行きましょう。
尚、店舗を借りるのであれば1,000万円〜が目安ですが、ゴーストレストランなら300万円程度の自己資金があれば、余裕を持って出店できます。(数十万円〜も可能)
実際に資金計画を考えたときに、出店方法から考え直したほうがいい場合も。早めにお金に向き合って実現させる方法を考えていきましょう。
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自己資金を貯めるなら、やっぱり副業
300万円くらい貯められたら、飲食店やらずとも最低限1年くらいどうにか生きれる金額です。体力消耗せずに自宅でごろごろしながらできるネットを使った副業がおすすめ。お金を稼げる方法を知りたい方は、下記からどうぞ。
[nlink url="https://foodtrip.tokyo/6017/"]
物件取得:1年前〜6ヶ月前
資金集めと同時進行で、物件を探すのも早く始めるに越したことはありません。
・どんな物件があるのか知る
・飲食店特有の用語を知る
・エリアごとの費用相場を知る
このような感覚値を身につけておくことが失敗しない物件選びのコツ。いざ希望物件が見つかった際にも、それがいい物件悪い物件なのか、判断しやすいはずです。
ネットで専門の不動産屋に登録しておけば誰でも閲覧OK。出店時期が決まってなくても大丈夫です。
「物件の取得が先or資金調達が先」これはにわとりたまごで、どちらが先とは判断つきづらいものです。特に借金する場合には同時進行しなければなので、自己資金はやっぱりあったほうが良いですよ。
資金調達と物件取得は難航する場合も想定
ちなみに...個人店の場合、物件取得はやや難航する可能性が高いです。
というのも、いい物件はチェーンや大手が抑えているし、申し込みができたとしても審査で振り落とされる可能性も高いからです。また希望エリアの物件と自分の資金が見合わない場合も大いにありえます。
こういった場合は振り出しへ戻って「物件ありき」でコンセプトを練り直し。この段階までは、時間をかけてじっくり詰めていきましょう。
デリバリー媒体への出店計画
デリバリー利用の場合は、この時点で利用予定媒体の出店条件も合わせて確認しておきます。特にゴーストレストランで出店する方は要注意。営業時間のルールなど条件があります。
【出店手順】Uber Eatsレストランパートナーになる方法を調査
登録に関しては、サービスによっては申し込み時に営業許可番号が必要です。さらにUbereatsの応募殺到時は、出店まで2ヶ月ほどかかってましたので、条件面・申請方法・スケジュール感はこの時点でいったん確認しておいてください。
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開業準備:2,3ヶ月程度
「資金集め&物件取得」、この2つの大きなハードルがクリアできたら、あとはどんどん開業準備を進めていくだけです。目安としては、OPENまで2ヶ月程度あれば大丈夫です。とはいえ、けっこうやること多くてハードなのがここ。
・内装工事
・資格取得
・メニュー開発
・仕入れ先選定
・環境整備
・集客準備
このようなことを、全て同時並行で行なっていきます。
開業に必須の資格
開業にあたって絶対必要なもの資格の取得です。
・衛生管理者・・・1日取得OK
・防火管理者・・・1日取得OK
・営業許可・・・2週間〜/内装工事完了後に申請
資格の取得は簡単ですが、余裕のある早いうちに取得しておいた方がいいですね。開業前になると99%バタつきます。
【オンライン申請もOK】飲食店開業必要な資格&届出\全部まとめた/
メニュー開発
飲食店の一番大事なメニュー開発。来店だけでなく、デリバリーも行うなら、絶対に売れるキラー商品を作ること。仕入れ先やオペレーションも合わせて確認します。
↓メニュー開発におすすめの雑誌。繁盛店メニューもりだくさんです。
本業と並行ならしっかりスケジュール把握を
本業がある方は、今の仕事を辞める時期もしっかり調整を。これらの開業準備で、基本的はお店に張り付き状態になります。
もし、今別の仕事をしている場合は、オープン前の2ヶ月くらいはフリーで動ける状態にしとくことを推奨。心の平和を保ちつつOPENにたどり着けますよ。
別の記事で細かくやるべきことを書き出しました。外注できるものは外注を、自作したほうがいいものだけ自分でやりましょう。どんなことをすべきか事前にチェックしたい方は、下記参考にどうぞ。
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集客導線作り:1ヶ月
最後に売上アップに欠かせない集客・販促媒体。パソコンとスマホさえあれば、ほとんど自分で作れます。
オンライン集客 | ・ホームページ ・SNS ・Googleマップ ・グルメ媒体 | 全て無料登録・開設可能 ※自作できる |
アナログ集客 | ・名刺・ショップカード ・チラシ ・看板 | 印刷・送付などスケジュール要確認。 自作もできる。 |
オンライン販促で使う媒体は全て無料でアカウント開設できます。使ってみたいものはOPEN前にいったん全て開設して、使い勝手だけでも確認しておくとあとが楽になります。
おすすめしているWEB販促セットは下記の通りです。
・ホームページ
・SNS(instagram)
・Googleマップ
無料で始められる手軽さとはウラハラに、集客導線作りは売上を左右する超〜大事な現代の魔法のアイテム。できるだけ自社集客できるように導線を作っておくと、無駄な外販費用が減らせます。
特にSNSは、早いうちから個人アカウントを開設して使い方研究しとくのがいいですね。開業を決めた時点から、ちょっと気にかけて情報収集を始めてみるのがおすすめです。
[nlink url="https://foodtrip.tokyo/7419/"]
[nlink url="https://foodtrip.tokyo/4262/"]
開業までのスケジュール感
では、ここまでのスケジュール感をまとめますね。
はじめての出店の場合は、計画開始は1年前からするのが安全です。
大枠の流れ | 内容 | 時期 |
---|---|---|
1. 出店方法を知る | 出店するには3つのタイプがあることを知る。 ・店舗型(来店) ・ネット販売型(デリバリー) ・移動型(キッチンカー) | 1年前 |
2. 開業の流れを知る | ・全体感を把握する ・スケジュール感を把握する ・やるべきことを網羅する | 1年前 |
3. 事業計画を立てる | ・事業計画書を作る 【内容】 ・コンセプト ・いくら稼ぎたいか ・誰とやるのか ・何を売るのか ・どうしてやるのか ・経費はどのくらいかかるのか | 1年前 |
4. 資金を集める | ・必要資金を知る ・資金調達をする ・助成金を調べる | 1年前~6ヶ月前 |
5. 物件を探す | ・予算を決める ・場所選びをする ・物件を見にいく ・契約をする ・内装会社を決める ・工事する | 1年前~6ヶ月前 |
6. 開業準備をする | ・資格を取る ・営業許可を取得する ・開業届を出す ・メニュー開発する ・メニュー表を作る ・設備環境を整える ・仕入れ先を決める | 2ヶ月前 |
7. 集客導線を整える | 【オンライン】 ・ホームページを作る ・SNSを開設する ・グルメ媒体等に登録する ・デリバリー等に登録する 【アナログ】 ・名刺・ショップカードを作る ・チラシを作る ・看板を作る | 1ヶ月前 |
未経験だったり、ぎりぎりまで他のお仕事をしている場合は、1年〜半年かけて計画的に準備を進めてください。
自己資金もあって、物件も理想的な居抜きがスムーズに見つかれば最短3ヶ月くらいでの出店もなくないです。しかし、うっかりでオープンが遅れたりすると、家賃分がふっとびます。
...こんな猛者もおりました。
すぐ行動する、とはこういうことやでえ。物件契約から10日で営業許可とった。ちんたら生きるなよ、パッとやってしもてからだらだら生きようぜ pic.twitter.com/8g2e9yLyBd
— しもせ🍕大阪の天然酵母ピザ職人🍺台湾料理屋とラーメン屋もやってまんねん (@semoshi) May 14, 2021
ということで、飲食店の開業の流れと全体感は以上となります。
最後に補足
もしここまで見てきて、開業に不安を感じた方は、下記のような選択肢もあります。
・ゴーストレストランでの出店
レンタルキッチンや間借り店舗で運営
→\準備もコストも半減/
・フランチャイズでの出店
既に決まった開業ノウハウに乗っかって出店できる
→\準備もコストも半減/
リスクを減らして出店するなら、上記のような選択肢もあり。コストも手間も半分です。
「脱サラで絶対失敗したくない後がない!」なんて場合には、この時点で軌道修正して少し調べてみてもいいかもです。
以上、おつかれさまでした。
Next→【ステップ3】事業計画書の作り方
・・・
はじめての飲食店開業7ステップ
出店経験者が教える初心者向け飲食店開業講座。 7つのステップを段階毎に丁寧解説。リアルな経験談を交えつつ、はじめての開業でも失敗しないノウハウをぎゅっと詰め込みました。気になるところからぜひどうぞ。
- Step1:飲食店の今ドキの出店方法を知る
- Step2:飲食店の開業の流れと全体感を知る
- Step3:飲食店向け事業計画書の作り方
- Step4:飲食店の資金調達方法3種類
- Step5:飲食物件の探し方と内装工事
- Step6:開業準備チェックリスト
- Step7:集客導線を作る
番外編:開業に役立つおすすめ書籍
番外編:開業に必要な資格許可リスト
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