今日は、飲食店開業前に知っておきたい「ランニングコスト」についてまとめました。
こんな方向け
- これから開業する人(準備中の人)
- 飲食店の細かいコスト内訳を知りたい人
- 1円でも多く売上を手元に残したい人
こんな方はぜひどうぞ。飲食店のランニングコストは、適切にコントロールすれば年間利益100万以上も差がつくほどの超大事なポイント。かといっても何でもかんでも削減してしまうとお店の名誉に傷がつくことも...。
適切に対応していけるように、ランニングコストについてひと通り把握しておきましょう。
もくじ
ランニングコストってなに?削減していいものとダメなもの
ランニングコスト=お店運営に必要な運転資金
のことです。
そして「ランニングコストは少なければ少ないほどいい」。この理由はいうまでもなく、利益が多く手元に残ることがその理由です。
ただし、なんでもかんでもコストを削ってしまうと、お店の生命線に関わるものもあります。
契約先だけ見直せば「質は変わらず価格だけ落とせるもの」から対応していくのがポイントです(例えば水道光熱費など)
まずは、飲食店のランニングコストの内訳とその相場を知っておくことからはじめていきますね!
飲食店のコスト内訳
飲食店の開業と運営に関わる費用は、イニシャルコストとランニングコストがあります。
イニシャルコスト=開業費用
ランニングコスト=運転費用
ランニングコストは、お店を維持経営していくために必ず発生する費用です。
【ランニングコストの目安割合】
項目 | 割合 | |
---|---|---|
固定費 | 家賃 | 10% |
その他初期条件 | 10% | |
変動費 | 食材原価 | 30% |
人件費 | 25% | |
水道光熱費 | 5% | |
販促費 | 3% | |
その他 | 5% | |
※割合は目安、お店の条件によって変動します |
全部合計して88%、これがランニングコストです。
飲食店の利益率は一般的に10%程度あればいいと言われていまして、上記だと12%がそれにあたります。
飲食店のコスト構造は、だいたいこんな感じになってることがわかればOK。
超重要:ランニングコスト=損益分岐点
このランニングコストは、お店の生命線を握る「損益分岐点」と同じ意味合いです。
損益分岐点を超えれば利益、越えられなければ損失。
この考え方は超重要で、損益分岐点のレベルが下がれば下がるほど、お金が残る仕組みです。
例)月300万売上だとして...
・損益分岐点90% 利益30万
・損益分岐点85% 利益45万
→5%削減で年間180万も多く利益が残る!
少し手間をかけても、ランニングコストを削減してみようと思える金額感ですよね。
しかし、なんでもかんでも削るのは危険。お店の評判に関わります。
なので、ランニングコストを落とすなら、質を変えずに費用だけ落とせる方法を探すのが正義。具体的な方法を見ていきましょう。
ランニングコスト削減方法
ランニングコストに関わるものは、開業準備時点で導入先をしっかり比較検討するのが、一番手間なく楽ちんです。
コストを削減していいものとダメなものをざっくり分けると、こんな感じになります。
「削減しづらいもの|家賃とその関連費用
削減しちゃいけないもの|食材費、人件費」
↕ ↕︎︎ ↕︎
「削減していいもの|光熱費、販促費、通信費」
削減しちゃダメなランニングコスト
まず、削減しちゃダメというより「しづらいもの」としては、物件の家賃と関連の初期費用各種が。家賃交渉してもオーナーが首を縦に振るとは思いづらいですよね...什器のリース費用なども途中変更しづらいので、このあたりの着手はあとまわしに。
食材原価はお店の生命線
飲食店でコスト削減をしちゃダメなのは「食材原価」。もちろん仕入れ先を見直すなどはできますが、飲食店の売りは「料理」やですよね。さらに気持ちよく料理を楽しませてくれるスタッフさんもお店の一番の売り物であるはず。
なので、ここのコスト削減は本当に最後の手段です。
売れてるお店は原価率50%越えも
食材原価に関しては一般論30%ですが...売れてるお店は50%以上もの原価をかけてたりします。「スシロー」「俺のフレンチ」あたりは超有名。
ランニングコストの設定方法についてヒントが散りばめられているので、開業前に一読の価値あります。
削減してもいいランニングコスト
反対に、削減してよいランニングコストは、自分の手間と工夫とアイディアでクオリティを変えずに落とせる部分。
光熱費|電気・ガス料金の契約先変更
東京電力と契約するのが一般的。しかしまず着手すべきはここ。新電力自由化により、契約先を替えるだけで毎月5~10%料金ダウンすることも。
通信費|Wi-Fi契約先を見直す
Wi-Fi契約も一定のスピードさえあればOKなので、契約先を検討するだけでコスト削減できます。キャッシュバックキャンペーンを積極的に行っているサービスが多いのも特徴のひとつ。初年度ほぼ無料で導入できたりします。
フレッツ光最大79,000円キャッシュバック
販促費|無料の販促媒体を利用する&自作する
ウェブ販促はまずは自作。制作経験がなくても問題なく使えるツールが多々あり、維持は月額1,000円程度で済みます。外注すると保守運用だけで月々数万飛びますので、ここも積極的に検討すべき項目。チラシなど紙媒体の制作も簡単に自作できるようになってます。
飲食店で本当に使えるホームページ作成ツール8選【無料利用OK】
消耗品費|まとめ買いや工夫をする
食器などこだわりが売上に直結するものはお金をかけるべき。しかし、紙類・文房具は仕入れサイトでまとめ買いする、レシートはデジタル導入で削減する、などのチリツモ作戦で削減しましょう。
スーパーデリバリーその他|固定費無料サービスで乗り切る
その他のところでいうと、例えばPOSレジ&キャッシュレス導入もランニングコスト不要で導入可能。月々数万円を払うシステムもありますが、エアレジやスクエアは固定費不要なのに高機能。最短翌日入金だったりキャッシュフローも安心です。しっかり比較検討してください。
長く楽しく、愛されるお店を運営していけます
ランニングコストについては以上です。
最初の契約・導入じだけしっかり検討すれば、しばらくは、あれこれする必要がないため、ちょっと時間をかけて導入先を検討してみるのがおすすめです。
ちょっとした手間をかけるだけで、「お店の価値を下げずに経費を削減、それでいて利益も年間100万円以上もの差」が出ます。長く楽しく愛されるお店を運営していくために、ぜひ開業前に勉強してみてください。
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- Step1:飲食店の今ドキの出店方法を知る
- Step2:飲食店の開業の流れと全体感を知る
- Step3:飲食店向け事業計画書の作り方
- Step4:飲食店の資金調達方法3種類
- Step5:飲食物件の探し方と内装工事
- Step6:開業準備チェックリスト
- Step7:集客導線を作る
番外編:開業に役立つおすすめ書籍
番外編:開業に必要な資格許可リスト
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