「個人飲食店開業7ステップ」の4ステップ目です。
●ステップ1:イマドキの出店方法を知る→複数軸で売上を立てよう
を前提に、「店舗型+デリバリー」出店でお話を進めます。
ステップ4では、開業前の最大のハードル「資金調達」について、解説します。
一般的な飲食店の出店コストは1,000万円が基本だと言われています。目玉が飛び出るほど大金ですよね...。
内訳としては自己資金300万+融資700万円あたりが相場かと。この大金をどのように調達するのか、細かく見ていきます。
こんな方向け
- 脱サラして開業したい飲食店未経験者
- 飲食経験者でもはじめて自分のお店を出店する方
- ひとりでできる規模感のお店を出店したい方
もくじ
【失敗しない個人店開業ステップ4】飲食店の資金調達方法3種類
開業資金を集める手段は、「自己資金/融資/クラウドファンディング」の3種類が主要な調達方法です。
自己資金
自分の貯金で賄うパターンです。なかなか1,000万ぽんと出せる人もいないと思うので、たいていは次に紹介する「融資制度」を使うことになるでしょう。
しかし、借りるとしても自己資金はあったほうがいいことは間違いない。自己資金は300万円程度あるのが理想的です。
だいたい3倍くらいまで借りれるというのがセオリー。自己資金と合わせてMAX1,000万近くくらいまで開業資金が用意できる計算になります。
もちろん自己資金が少ない場合は借りれる資金も小さくなりますし、融資も通りづらくなります。早めの貯金が吉。
【副業コラム】経験者が教える!飲食店で働きながらできるWEBの副業おすすめ5選
借入(融資)
借り入れる場合には、身内から借りるまたは融資が候補にあがるでしょう。しかし、ビジネス関係じゃないお金のやりとり(友人や恋人)それからキャッシング・闇金は、ダメゼッタイ。災いの元です。
融資を受ける場合には、候補は2パターン。
・銀行融資
・日本政策金融公庫※日本公庫
個人の創業でお金を借りるなら、銀行よりも日本公庫がおすすめです。というのも、日本公庫は創業者向けに融資を行っているため、担保なしでお金を借りることができるからです。※無担保融資の割合が8割超
一方で銀行は、担保や実績が重視される場合が多いです。優先度としては、日本公庫よりも落ちます。
個人事業主向けの融資制度
日本公庫では、個人事業・小規模事業は「国民生活事業」の融資制度が利用できます。
● 新企業育成貸付
このように、新規で開業する方向けの融資制度があるのですよね。
公式サイトにアクセスして「新企業育成貸付」の項目をチェックしてみてください。細かく掲載されているので、いきなり出向かなくてもいろいろ情報取れますよ。
※補足
日本公庫の融資制度も銀行より借りやすいとはいえ、絶対に借りられる、という保証があるわけではありません。事業計画をしっかり作り込んで、早めに相談に行きましょう。
クラウドファンディング
もうひとつ、最近有力な資金調達先としてあげられるのが、クラウドファンディングです。
【クラウドファンディングとは?】
インターネットを介して、不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する
【利用の流れ】
プロジェクトを立ち上げる
→リターン(お礼)を設定する
→投資者を募る
→資金調達完了
代表的なサービスは以下3社。
最近では、コロナ禍で打撃を受けた飲食店のセーフティネットとして機能しているので、知っている方も多いと思います。
クラウドファンディングの注目するべきポイントは、調達額がすさまじいこと+返済の必要がないことです。
飲食店ではないですが、最近西野さんの「プペル」もクラファンで資金を集めて、超話題になりましたよね。その額「1億」!!!!
下記は飲食とも西野さんとも関係ないあっちゃんのYoutubeですけれども、クラファンについてはいちばんわかりやすいのでぜひどうぞ。
軍資金ゼロ!自己資金ゼロ!返済も嫌だ!という方は、クラファンを使って一発逆転を狙いましょう。
【食×シェアリングエコノミー】あなたの「得意」は今すぐ売れます
飲食店開業資金の内訳
では、ここから開業に必要な資金の内訳についてもう少し解剖していきます。
飲食店の開業資金は1,000万と言われていますが、あくまでも開業する「まで」の資金です。実際には、開業して「から」の資金も用意しておかないと、お店も心の平和も保てません。
開業資金:お店を開業するための資金
運転資金:お店を開業してからの資金=ランニングコスト
この内訳を見ていきますね。
開業資金(開業するまでにかかる資金)
大枠の流れ | 費用 | 内容 | 参考記事/サイト |
---|---|---|---|
物件取得 | 300万〜上限なし | 家賃や造作譲渡の合計 | 参考 |
内装工事費 | 300万〜上限なし | 内装工事の合計 | 参考 |
- | 【物件+内装合計】 | 600万円〜 | - |
厨房機器費 | 100万〜 | 冷蔵庫、ガス代、シンク、ワインセラーなど ※造作譲渡で不要な場合も | 参考 |
看板施工費 | 20万〜 | 看板の設置。ビルによっては指定がある場合も | - |
レジ | 5万〜 | POSレジ・キャッシュレス導入費 | 参考 |
募集費 | 10万円〜 | アルバイト募集費用 | 参考 |
販売促進費 | 30万円〜 | ホームページやチラシなど 販促物作成費用 | 参考 |
備品費 | 30万円〜 | グラスや食器、エプロンなどの 購入費用 | 参考 |
開店前経費 | 10万円 | その他消耗品やテスト食材など 諸々経費 | 参考 |
- | 【設備・準備合計】 | 210万円〜 | - |
物件取得と内装工事費が8割くらい。特に物件取得費用は自分で金額を抑えたりできない部分なので、あの手この手で用意しなければならない費用です。
ただ、その他についてはもっと下げることも可能です。
●内装
→居抜き物件を借りる\数百万ダウン/
●厨房機器
→リースで始める\数十万ダウン/
●宣伝販促費
→無料媒体を使う\数十万ダウン/
特にWEB周りは、無料&自作で全然OK。上記のような工夫をすれば、200万くらいは軽くコスト削減できます。
[nlink url="https://foodtrip.tokyo/7419/"]
物件取得費や内装費を抑えたい場合
物件周りの費用を抑えたい場合は、居抜きを借りるのがセオリー。でしたが、今は間借り営業といった領域も成長中です。
「favy Store」に「シェアレストラン」が参加!飲食店の空き時間を貸し出して収益化へ【favy×吉野家HD】#foodfun #飲食店 #アフターコロナ #ウィズコロナ #新しい生活様式 #favy #間借り #シェアレストラン #吉野家HD #がんばろう飲食店 https://t.co/m1JJv7SuDb
— 外食産業新聞社【公式】🍻 (@GaishokuShimbun) June 8, 2020
間借りのメリットは、最初の保証金がかからないこと、そして個人店で物件審査が通らず計画が先延ばしになるリスクを抑えられることです。
「【2021年最新】ゴーストレストラン開業の物件探し→「営業許可取得済み」レンタルキッチン」で具体例をまとめていますので、興味のある方はぜひどうぞ。
運転資金(開業してからかかる資金)
運転資金は、主に「家賃・食材原価・人件費」などの、お客様が来ても来なくても変わらずに発生する固定費用のことです。これが別名ランニングコストと呼ばれているものです。
ひとりオーナーだったら家賃と食材原価が大きなところ。最低でも3ヶ月分、できれば半年分(200-300万程度)あると安心です。この分は、場所選びを慎重に行ったり、居抜き物件を借りたりすれば、少し余裕資金が生まれます。
開業コストは徹底的に削るのが飲食店で失敗しないコツ。開業資金が削れれば削れるほど、心の余裕が生まれます。
特に今の時期は、不測の事態に備えることがいちばんの策。運転資金分を上乗せで借りるよりも、無駄な資金を出さないアイディアを練っていきましょう。
最近は固定費用不要のサービスが増加中
最近では、UberEatsをはじめ、ホームページ、ネットショップ、あらゆるサービスの導入コストや固定費用が不要になっています。さらには電力自由化などに代表されるように、インフラ系の料金も落とせるようになってます。
詳しくはステップ6:開業準備をするで紹介。
助成金は開業時に使える?
「助成金・補助金は返さなくていい資金」と言われて、開業時に利用を考えている方は要注意です。
・交付条件がある(人を雇わなければならないなど)
・抽選や先着
・着金は1年後など
助成金・補助金にはこういった制約があります。年間トータルではもちろん使ったほうがいいですが...すぐに利用できる現物ではない、つまり、開業時には使えない、ということです。
最近注目の「IT導入補助金」も同様。
開業したてだと使えない...という規則はありませんが、直近の確定申告書などが必要です。新規開業の場合は、現実的には利用不可ですね。
やはり、日本公庫の創業融資またはクラウドファンディングでの資金調達が現実的です。
とりあえずそれでもいいから使いたいという方は、下記のようなサイトから探せます。
J-Net21
ゼロ円開業・資金調達方法をもっと知りたい方向け
[nlink url="https://foodtrip.tokyo/7935/"]
開業コスト自体を下げる方法を知りたい方向け
[nlink url="https://foodtrip.tokyo/7951/"]
ステップ4まとめ:実績がなくても資金を集める方法はある
「ステップ4:資金を集める」は以上です。おつかれさまでした。
【まとめ】
担保も実績もないはじめての開業でも資金集めはできる
→基本:自己資金300万+日本公庫
→資金ゼロ:クラウドファンディング
なんにせよ、自己資金はあるに越したことないので、1円でも多く貯金。その上で創業者を応援してくれる日本公庫へ相談。それも厳しければクラファン利用も大まじめにありです。
お金で諦めないで、夢を実現させる方法を考えて行動していきましょう。
Next→【ステップ5】初心者でも大丈夫!飲食物件の探し方ノウハウ伝授
※開業シリーズ【ステップ1】から見たい方はこちらから
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はじめての飲食店開業7ステップ
出店経験者が教える初心者向け飲食店開業講座。 7つのステップを段階毎に丁寧解説。リアルな経験談を交えつつ、はじめての開業でも失敗しないノウハウをぎゅっと詰め込みました。気になるところからぜひどうぞ。
- Step1:飲食店の今ドキの出店方法を知る
- Step2:飲食店の開業の流れと全体感を知る
- Step3:飲食店向け事業計画書の作り方
- Step4:飲食店の資金調達方法3種類
- Step5:飲食物件の探し方と内装工事
- Step6:開業準備チェックリスト
- Step7:集客導線を作る
番外編:開業に役立つおすすめ書籍
番外編:開業に必要な資格許可リスト
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